#019 除夜のテキスト祭出品全テキストレビュー 27日後半

(除夜のテキスト祭ログをあわせて読んでいただれば幸いです)



疲労骨折・・・・16点


かなり長い力の入った文章。長いだけで読むのを毛嫌いする人もいるかもしれませんが、僕はじっくり読ませていただき、非常によくできていると感じました。ただ少し残念なのが「彼」がいつまで経っても死なない根本的な理由が書かれていないので若干疑問を残しつつ物語が終わってしまった点と、少々終わり方がベタであった点。もう少し奇想天外な流れであればもっと印象にも残ったと思います。それでもかなり完成されたテキストに変わりはないし、十分楽しめるテキストでした。



ごんぎつね・・・・15点


最後はわざとでしょうか。まぁどっちにしろ不覚にも笑ってしまいました。まぁそこを対象外と考えても「ふんふん」としっかり読ませる文章であったことに変わりはなく、面白いといった感じではありませんが、比較的「読める」テキストだったのではないしょうか。まぁ若干印象に残りにくいテキストなのでそこらへんはちょっとどうなのかなといった気持ちがあるにはあるのですが、108サイトの中に一つぐらいはこういうテキストがあってもいいでしょう。



ABS・・・・16点


逐一文に手を加えてあって、どれもそれなりにしっかり考えられていて面白いので好印象。わざとかは分かりませんが、若干句読点が少ないせいか読みにくい感があるのですが、それでもじっくり読めば結構楽しめるテキストなのではないでしょうか。「コスモ」が文章の中でどう関連していたかというのは正直僕はよく分からなかったのでオチも理解できませんでしたが、やはり中身がそれなりに面白かったので高評価です。



ぬーぶら・・・・13点


煩悩の数を間違えているのはあえて追求はしませんが、結局のところどこが面白いのか分からない、普通の女の子が書く懐古日記といった感じで興味がある人ならそれなりに楽しめるのでしょうが、僕としてはもう少しひねって欲しかったかなという印象が残りました。ただところどころ面白くしようとしている表現の工夫は見受けられたので、そこのところは評価できるので次回あれば頑張って欲しいと思います。



バーチャルネットストーカー・ヨシミ22歳・・・・15点


読むのに目が疲れるのですが、それでも一気に最後まで読ませる力があるのはさすが長年サイトをやっているだけあるなといった感じでしょうか。正直「絶対領域」を知らない人に対しての説明がなってないのでどうなんだろうと思いましたが、なんの因果か僕は知っていたので不覚にも「うまくつなげたなぁ」と感心できました。ただどうしても評価を上げきれないのがあまりに自分語りに偏りすぎで内容も偏りすぎで全ての読み手のことを考えていないという理由があるからです。まぁ書き手が満足できればそれはそれでいいテキストと呼べなくはないのではないでしょうか。なんだかんだ言って僕は楽しめました。



君がソレを望むなら・・・・15点


ちょっと評価が難しい。自分語りながら読み手に分かりやすく説明しているのですが、面白いかと言われるとちょっと首を傾げてしまう。しかしこれだけ長くても全部一気に読めてしまったから読ませる力はあったのか。ただ内容は「一年間苦労した化学とやっとおさらばできる」というだけのもので非常に薄いものであるにも関わらずこれだけの分量が書けるのは一種の才能と言えるのではないかという印象も残ったのでそれなりに高評価とさせていただきます。



N.U.D.E・・・・17点


なにか今まで他のサイトになかった文学的なセンスを感じました。読みやすいというのもあったのでしょうが、普通に短編小説を読んでいるような感じ。らせんチックに最後をオトすのかとも思いましたが、読後感はさわやかでした。かなり完成されたテキストで欠点という欠点は見当たらなく、こういうテキストも読めると除夜のテキスト祭って本当にいいイベントだなとしみじみ感じることができました。







「四日目のテキストを読み終えて」



今回は「VolumeOne」のテキストがすごく印象に残り、トリの「N.U.D.E」が綺麗に締めてくれる非常にいい形だったと思いました。それに続いて「疲労骨折」と「ABS」がいい仕事をしてくれたなという感じ。正直下降気味の流れを見事に立ち直したような気がします。五日目もこの調子でいいテキストがバシバシ出てくれることを期待します。